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介護事務のリモートワークは可能?在宅勤務の実情と働き方の工夫

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介護事務というと、従来は施設や事業所に出勤して、来客対応や電話応対などをこなしながら事務作業を行うというスタイルが一般的でした。

実際に、私も最初は「事務は現場にいてこそ成立するもの」と思っていました。

しかし、近年はICT(情報通信技術)の導入が急速に進み、介護業界でも徐々に働き方の選択肢が広がりつつあります。

この記事では、介護事務が実際にどの程度リモートワークに対応できるのか、どのような業務なら在宅でも可能なのか、また働き方における工夫や注意点について詳しくお伝えします!

介護事務リモートワーク求人の増加の背景

日本の介護業界では、人手不足の解消とスタッフの業務効率化を目指し、国主導でICT導入が進んでいます。

従来の紙ベースの記録管理からタブレットクラウドシステムを活用した電子記録へと移行し、利用者情報やサービス提供記録のデジタル化が標準となりました。この変革により、現場での記録がリアルタイムで共有可能になり、事務処理の効率性と精度が著しく向上しています。場所に縛られない業務環境が整備され、より効率的な働き方が実現しつつあります。

コロナ禍を機に社会全体でリモートワークが普及する中、介護分野でも接触機会の削減と感染リスク低減の必要性から、ICT活用と在宅勤務の導入が急速に広がりました。

こうした柔軟な勤務形態の実現は、育児や家族介護との両立を希望する人材にとって、価値ある働き方の選択肢となっています。

リモートワークが可能な介護事務の業務とは?

介護事務の業務には、在宅で対応できるものと、対面が必要なものがあります。在宅勤務で対応可能な業務としては以下が挙げられます。

請求業務(介護給付費請求)

国保連への請求はインターネット経由で可能なため、事業所によっては在宅で処理を任されるケースもあります。特に毎月決まった時期に発生する定型的な業務のため、慣れてくると一人でも効率的に対応できます。

現在はクラウド対応の請求ソフトが主流となり、自宅PCからのアクセスも容易になりました。クラウド環境での作業により、複数スタッフ間での進捗共有が可能となり、ミス防止と効率化が実現しています。さらに、AI搭載ソフトによるチェック機能が人的エラーを低減させています。

書類作成や報告書の整理

請求関連の資料や明細一覧の作成、統計資料の作成、データベースへの入力作業などは、リモートワークと相性の良い業務です。特に、月次や週次で定期的に必要となる作業は、自宅で落ち着いて集中できる環境の方が効率的に進めやすいでしょう。

従来のWordやExcelを用いた帳票作成に加え、Googleドキュメントやスプレッドシートといったクラウド型のツールを活用することで、リアルタイムでの情報共有や共同編集も可能です。例えば、訪問介護や通所系サービスでの実績件数の集計や、給付実績の分析といったデータ処理業務は在宅勤務でも問題なく行える範囲に含まれます。

こうした業務を切り分けて在宅勤務者に任せることで、事業所内の事務負担を分散し、職員全体の業務効率向上にもつながっています。

メールやチャットでの職員連携

電話連絡や来客応対は在宅ではできませんが、日常の業務連絡や情報共有は、チャットツールやメールを使うことで対応可能です。最近ではLINE WORKSSlackChatworkなどのビジネスチャットが導入されている事業所もあり、職員同士のやりとりはこれらのツールで完結するケースもあります。

グループチャットで複数人と同時に情報を共有したり、必要に応じてファイルを添付して送ることもできるため、紙のメモや口頭での伝達に比べて正確性が高くなります。また、業務の記録が残るため、後から内容を確認しやすいという利点もあります。

リモートワークが難しい業務もある

もちろん、すべての介護事務業務がリモートで完結するわけではありません。業務の中には、物理的な出社や現場との対面が不可欠な内容も含まれており、完全在宅化には一定の限界があります。

書類のファイリング・郵送対応業務

契約書や請求関係書類は、2021年の介護報酬改定や改正電子帳簿保存法により、要件を満たせば電子保存が認められています。介護事業所でも、書類の電子化が進んでいますが、一部の文書管理業務は依然として事業所内で対応しているのが実情です。

また、郵送が必要な書類の準備・発送や、外部から届く郵便物の受け取りと仕分けといった業務は、事業所内での対応が必要です。紙ベースで運用されている書類のファイリング業務などもあるため、完全な在宅勤務を行うには制限があります。

利用者の多くを占める高齢者やその家族の中には、デジタル機器の操作に不慣れな方も多く、請求書などの重要書類をデータでやりとりすることが困難なケースが少なくありません。そのため、利用者の状況やICTリテラシーに配慮し、紙媒体での書類提供を継続せざるを得ないことも、介護事業所の現場では一般的です。

来客対応や電話対応

介護事務の重要な役割として、利用者・家族・ケアマネジャー・業者などとの来客応対や電話対応があります。特に事業所で受付業務を兼務している場合、電話の取り次ぎや来客対応は不可欠な業務となります。対人業務では臨機応変な判断と即時対応が求められるため、リモートワークでは十分にカバーできない側面があります。

特に小規模事業所においては、事務職であっても介護現場をサポートする多様な役割が求められることもあるでしょう。介護士本来の業務を補助する事務的作業や、職員とお客様をつなぐコーディネート機能など、現場の状況に応じた柔軟な対応が必要とされることも少なくありません。

お客様対応は現場の状況に即した細やかな対応が求められるので、事務員さんがいてくれるだけでとても助かります。

現場との連携が必要な業務

訪問介護や通所系サービスなど、介護サービスの種類によっては、現場スタッフと直接やりとりをする機会が頻繁に発生します。サービス実績の確認・修正や利用者の急な予定変更対応など、即時性を要する情報共有は、対面でのコミュニケーションが最も効果的です。特に、介護記録をもとに月末の請求資料を作成する際なども、現場スタッフとのすり合わせが必要になる場面が多く、書類の確認や押印のやりとりも含めて出社して対応するケースがほとんどです。

リモートワークが進んできたとはいえ、完全在宅化には難しい業務もあるため、出社とリモートを組み合わせたハイブリッド勤務といった柔軟な働き方の導入が現実的といえるでしょう。

介護事務でリモートワークを実現するための条件

では、どのような条件が整えば、介護事務としてリモートワークが可能になるのでしょうか?

クラウド型レセプトソフトの導入

クラウド対応の請求ソフトを導入している事業所であれば、自宅からでもアクセスして作業ができ、リモート環境でも円滑に業務を進めることが可能です。クラウド型の強みは、ソフトのバージョン管理やデータのバックアップが自動化されている点にもあり、作業ミスやデータ消失のリスクを低減できます。

また、インターネット環境さえあれば時間や場所に縛られずに作業ができるため、育児中の方や副業を希望する方にも柔軟な働き方を提供できます。

職場の柔軟な体制

上司や同僚との信頼関係報連相のしやすい環境があることが、リモートワークを円滑に進めるうえで不可欠です。特に介護事業所では、現場との連携を重視する風土が根強いため、普段から密なコミュニケーションを図っておくことが求められます。オンライン会議ツールやチャットツールの導入により、離れていても即時に意見交換できる体制があると、誤解や業務の停滞を防ぐことができます。

また、急な対応が必要な場面に備えたマニュアル整備役割分担の明確化も、リモート体制構築には欠かせません。時間帯別の担当制や、週に一度の対面ミーティングの併用など、対面とリモートを状況に応じて使い分ける複合的な就労スタイルも有効です。

セキュリティ対策の整備

介護事務の仕事では、利用者さんの個人情報や請求データなど大切な情報を扱います。自宅で仕事をする時も、こうした情報を守る対策が欠かせません。

最近の介護ソフトは、インターネットで「https://」から始まるアドレスを使うことで、基本的な安全性が確保されています。パソコンは仕事専用のものを使い、家族と共有しないようにするのも大切なポイントです。

また、ソフトやシステムにログインするためのIDとパスワードは、メモを貼り付けたりせず、しっかり管理しましょう。可能であれば、パスワードだけでなく確認コードも必要になる「二段階認証」を設定すると、さらに安心です。

定期的に情報管理についての勉強会を開いたり、注意点を確認している事業所であれば、安全にリモートワークを続けることができます。

介護事務のリモート求人を見つける方法

実際に在宅介護事務の求人を探すには、以下のような方法があります。各方法にはメリットや注意点があるため、自分に合ったスタイルを選ぶことが大切です。

「在宅OK」「リモート可」などのキーワードで検索

介護専門の求人サイトや、一般的な求人サイトでも「在宅」「リモート」といった条件で絞り込むことで、対象の求人を見つけやすくなります。特に、事業所名や地域にこだわらず全国から選べるのが大きなメリットです。

最近では「完全在宅」や「週1出社可」など、より詳細な勤務条件を記載している企業も増えており、働き方の柔軟性が求められる人にとっては選択肢が広がっています。また、転職サイトによってはスカウト機能や希望条件の登録機能があり、登録しておくだけで在宅勤務のオファーが届くこともあります。

医療・介護事務の在宅代行サービス会社を利用

一部の事務代行サービス会社では、介護請求業務の在宅スタッフを募集しています。請求代行業務に特化したスキルが求められるため、ある程度の経験や知識が必要になりますが、その分、専門性の高い働き方ができる点が魅力です。

また、フリーランスとして業務委託契約を結ぶスタイルも一般的で、働く時間や日数を自分で調整しやすいというメリットがあります。報酬は出来高制や月額固定など会社によって異なるため、事前によく確認しておくと安心です。

派遣会社を通じて紹介を受ける

派遣社員として介護事務に就業し、一定期間を経て在宅勤務に移行するというスタイルもあります。はじめは通勤が必要ですが、職場での信頼関係や業務習熟度に応じて、徐々にリモート対応へ移行できるケースが多いです。

特に、派遣会社を通じた就業では、勤務先との交渉や条件調整をエージェントが代行してくれるため、初めてのリモートワークに不安がある方にも安心です。研修制度が整っている派遣会社を選べば、スキルアップをしながら長く働くことも可能です。

介護事務のリモートワークに向いている人とは?

最後に、介護事務のリモートワークに向いている方の特徴を紹介します。リモート勤務は自由度が高い一方で、自己管理能力や対人スキルが求められる場面も多いため、適性を見極めることが大切です。

一定の実務経験がある方

介護事務の業務は多岐にわたるため、リモートワークでスムーズに業務をこなすには、ある程度業務に慣れていることが重要です。特に介護報酬請求や利用者情報の管理、現場とのやりとりなどを経験しておくことで、リモートでも的確な判断と対応ができるようになります。

最初から完全在宅での勤務は難しいケースが多く、まずは事業所に出勤し、業務の流れや職場の雰囲気、システムの使い方を理解してからリモートへ移行する方が現実的です。

現場での実務経験を通じて信頼関係を築いておくことで、リモートワーク時の不安やトラブルも最小限に抑えることができます。

自主的に仕事を進められる方

指示がなくても業務を整理し、スケジュール管理できる方はリモートワークに向いています。特に介護事務では月末の締め作業や定期的な報告業務があるため、自分でスケジュールを組んでタスクを進める力が必要です。

また、わからないことがあってもまずは自分で調べてみる姿勢や、必要な時に的確に質問できる力も重要です。

PCやITに抵抗がない方

デジタルツールを使ったやりとりが基本となるため、最低限のITリテラシーが必要です。WordやExcelの基本操作はもちろん、レセプトソフトの使い方や、クラウドシステム、ビジネスチャットの操作なども日常的に求められます。

新しいシステムにも前向きに対応できる柔軟性があると、よりスムーズに仕事を進められるでしょう。

コミュニケーションが丁寧な方

文章やチャットでのやりとりが中心になるため、相手に配慮したやりとりができる方が重宝されます。リモートワークではちょっとした表情や声のトーンが伝わらないため、言葉の選び方や返信のタイミングひとつでも印象が変わります。定期的に業務の進捗を共有したり、確認事項を漏れなく伝える工夫ができる人は信頼されやすくなります。

また、孤独を感じやすい在宅勤務において、適度に人とのつながりを保ち、自ら報連相を大切にできる方は、長く安定して働くことができます。

リモートワークができる介護事務の未来

介護業界でも、少しずつ働き方の多様化が進んでいます。近年では、介護現場のIT化や制度の見直しも進み、これまで当たり前だった出社型の働き方に変化が見られるようになりました。

介護事務のすべてがリモート対応できるわけではありませんが、業務内容によっては自宅でも問題なく対応できるものが増えており、一部業務の在宅化やハイブリッド勤務も現実的な選択肢になっています。

自分の生活スタイルに合った働き方を見つけることが、長く安定して働く第一歩になるでしょう。

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