介護業界で事務職を目指している方にとって、志望動機は応募書類や面接で特に大切なポイントです。ただ「介護の仕事に関心がある」や「事務経験がある」といった一言では、印象に残る志望動機にはなりにくいもの。
本記事では、介護事務への転職や就職を考えている方に向けて、志望動機を作る際の考え方や書き方のコツ、伝え方のポイントをわかりやすくご紹介します。
介護事務とは?仕事内容と求められるスキル
介護事務は、介護施設や訪問介護事業所などで主に以下のような業務を担当します。
介護事務の主な業務
- 介護報酬請求(レセプト)業務
- 利用者情報や契約書の管理
- 電話・窓口対応
- 勤怠管理や各種書類の作成
- 行政提出書類の準備 など
事業所の種類や規模によって業務範囲が異なることもありますが、どの職場でも共通して求められるのは、正確性・スピード・そして丁寧な対応力です。
また、介護保険制度に関する知識や、現場スタッフとの連携力、ご家族とのコミュニケーションも重要です。
さらに職場によっては、介護ソフトの操作や請求に関するデータ分析、文書作成など、より専門性の高い業務も任されることがあります。そのため、柔軟な対応力や業務習得への前向きな姿勢も重視される傾向にあります。
志望動機で押さえるべきポイントは「なぜ介護業界なのか」

志望動機を考えるときにまず大事なのは、「なぜ介護業界で働きたいと思ったのか」
という原点を見つめ直すことです。
たとえば、以下のような思いや出来事はありませんでしたか?
- 家族の介護をきっかけに業界への関心が高まった
- 人を支える仕事に魅力を感じていた
- 高齢者と接する中でやりがいを見出した
- 地域に根差した仕事がしたいと考えた
といったように、あなた自身の体験や価値観と結びつけて考えてみましょう。
「人の役に立ちたい」といった言葉だけでは抽象的になりやすいため、具体的な出来事や気持ちを含めると、あなたらしい志望動機に仕上がります。
日々の暮らしの中で感じた「支え合うことの大切さ」や「身近な人の笑顔に喜びを感じた経験」など、あなたにしか語れない思いを掘り起こすことが、採用担当者の心に響く志望動機につながります。
なぜ「介護事務」を選んだのかを明確にしよう

介護の仕事に興味があっても、「なぜ現場ではなく事務職なのか」
という部分をきちんと伝えることも大切です。
介護事務に向いている性格や価値観を伝えるコツ
介護事務は、正確さや気配り、コツコツと仕事をこなす姿勢が求められます。
以下に挙げるのは、採用担当者に「この人に任せたい」と思わせるような性格や価値観の例です。自分に当てはまるものがないか照らし合わせながら、志望動機にうまく取り入れていきましょう。
- 「細かい作業に集中することが得意」
- 「裏方として人を支える役割に魅力を感じる」
- 「縁の下の力持ちとして誰かを支えたい」
- 「安定した働き方を通して長く貢献したい」
- 「人のために地道な作業を続けることに達成感を感じる」
- 「直接的に接することが少なくても、誰かの支えになれる仕事をしたい」
このように、事務職の仕事に対する共感ポイントを具体的に掘り下げていくと、応募先にも気持ちが伝わりやすくなります。
自分のスキルや経験とつなげる
自分のこれまでの職務経験や得意なことを振り返ることで、介護事務の業務にどのように活かせるかが見えてきます。
ここでは、志望動機に取り入れやすいスキルや経験の一例をご紹介します。
- 「整理整頓や情報管理が得意」
- 「過去の仕事で正確性を評価された」
- 「時間管理やマルチタスクが得意」
- 「丁寧な接客対応を通じて感謝された経験がある」
- 「社内の業務フロー改善に携わった経験がある」
- 「突発的な業務にも冷静に対応できたことがある」
こうした経験をもとに、自分のどのスキルが介護事務にマッチするかを具体的に説明することが重要です。
事務職に求められるスキルは一見すると特別なものに感じられるかもしれませんが、実は日常の業務の中で身につけてきたことも多く含まれています。実際に評価された出来事や達成したことなどを例に挙げることで、説得力のある志望動機を組み立てることができるでしょう。
経験や経歴に合わせたアピールの仕方
ここでは、経験別にどのようなスキルが志望動機につながるかを見ていきましょう。
一般事務や医療事務の経験がある方
介護事務を目指すうえで、これまでに培った事務経験やスキルをどのように活かせるかを整理することは非常に重要です。以下に挙げるポイントは、介護事務でも高く評価される要素となるため、志望動機の中に具体的に盛り込むと効果的です。
- 請求業務の知識
- 電話対応や窓口での接客スキル
- 優先順位を判断して行動できる柔軟さ
- データ入力やミスチェックのスキル
- 書類作成やファイリングなどの事務処理能力
- 社内外との連絡調整を行ってきた経験
これらのスキルは、介護現場でもスムーズに業務を進めるために大いに役立ちます。
特に、請求関連の知識や正確性が求められる作業経験は、介護保険請求事務において即戦力として期待されるポイントです。日々の業務の中で意識して取り組んできた工夫や、トラブル対応の経験なども併せて伝えると、より説得力が増します。
未経験の方でも活かせること
介護事務の経験がない方でも、これまでの仕事や生活の中で培ってきたスキルや姿勢が十分に活かせる場面は多くあります!
以下に挙げるのは、未経験の方がアピールしやすいスキルや強みの一例です。自身の経験と重ね合わせながら、志望動機に取り入れてみてください。
- 接客業でのコミュニケーション力
- チームで協力して働いた経験
- 基本的なパソコン操作スキル(Word・Excel・メールなど)
- 丁寧な言葉遣いや心配りを求められる環境で働いた経験
- イレギュラーな対応を臨機応変にこなした経験
- 小さなミスを防ぐために心がけていた工夫
介護事務が未経験であっても、これまでの仕事や生活の中で培った力は多くの場合、十分に応用が可能です。

大切なのは、「自分がどのような姿勢で仕事に向き合ってきたか」を言葉にすること!
前向きな意欲と学ぶ姿勢を伝えることで、採用担当者にも真摯な印象を与えることができるでしょう。
「自分らしい働き方」も志望動機のひとつ
介護事務の仕事はコツコツとした確認作業が多く、黙々と集中できる方に向いています。また、現場職員や利用者のご家族と関わることもあるため、周囲との連携も求められます。
- 静かな環境で丁寧に仕事を進めるのが得意
- サポート役として現場を支えることにやりがいを感じる
- 自分のペースでコツコツと続けられる働き方を希望している
といったように、あなたの理想の働き方とマッチしている点を志望動機に盛り込むと、より具体的になります。
加えて、「資格を取得しながら成長したい」「子育てや介護と両立しながら無理なく働きたい」など、自分のライフスタイルに合わせた働き方を明確にすることで、応募先とのマッチ度も高まります。
ケース別で考える介護事務の志望動機例
介護事務を志望する背景は人それぞれ異なります。ここでは、経験や状況に応じた志望動機の例を紹介します。自分の立場に近いケースを参考にして、あなただけの言葉で志望動機を考えるヒントにしてください。
医療事務経験者の場合
一般事務からのキャリアチェンジ
介護職から事務職への転向
子育てや家庭と両立したい場合
面接では“伝え方”も重視される
履歴書にどれだけしっかりと志望動機を書いていても、面接での伝え方によって印象は大きく変わります。
- 暗記するのではなく、自分の言葉で伝える
- 表情や声のトーン、姿勢にも気を配る
- 相手の質問に丁寧に答える姿勢を見せる
- 聞く姿勢やあいづち、アイコンタクトなども意識する
これらのポイントを意識して、面接に臨みましょう。
特に、事務職は社内外との調整や報連相が必要となるため、対人スキルも評価されやすい傾向にあります。自分らしい雰囲気を保ちながらも、誠実な受け答えを意識することで、好印象を残すことができます。
志望動機は「あなたの思い」を伝えるチャンス

介護事務の志望動機に、ひとつの正解はありません!
大切なのは、「なぜこの仕事を選んだのか」「どんな風に貢献したいのか」を、自分の経験や考えを通じて丁寧に伝えることです。
この過程を通して、自分に合った職場や働き方を見つめ直すことができ、結果的にミスマッチのない就職活動につながります。介護事務は、現場を支える大切なポジション。あなたの想いやスキルが、職場の安心感をつくる力になります。
「未経験だから不安」「事務職は競争率が高そう」と思っている方も、まずは自分の強みや志望動機を整理してみてください。伝え方ひとつで、印象は大きく変わります。
ぜひ、あなたのストーリーを言葉にして、次の一歩を踏み出してみてくださいね!