
介護事務に興味があるけれど、「パソコンが苦手だから無理かも」と不安に思っていませんか?
以前は紙での作業が主流で、最低限のパソコンスキルでも十分にこなせる職場が多くありました。しかし今では、介護業界でもIT化が進み、まったくパソコンに触れずに済ませることは難しくなっています。
とはいえ、高度なスキルは必要ありません。この記事では、介護事務とパソコンスキルの関係について、実体験を交えながらわかりやすく解説します。
介護事務の仕事に必要なパソコンスキルとは
介護事務の仕事で使用するパソコン業務は、思っているほど複雑ではありません。
主に以下のような操作が求められます。
- ExcelやWordでの簡単な入力
- 電子カルテや介護ソフト(給付管理)の使用
- 利用者情報の入力・検索
- メールの送受信
IT化が進んでいる今、これらの基本的な操作に対応できることは、業務を円滑に進めるうえで重要になってきています。
ただし、専門的なプログラミングスキルやスピーディーなタイピング能力までは求められません。

慣れていけば十分にこなせる内容ですよ!
パソコンが苦手でも介護事務を始められる理由
私は、パソコンにめちゃめちゃ詳しいわけではありませんが、ケアマネとして働いていた経験の中で、自然とソフトの操作には慣れていたので、介護事務への転職後もある程度スムーズにパソコン業務をこなすことができました。
一方で、私の周りには、ほとんどパソコンに触れたことがない状態で入社してきた方もいました。とても不安そうにされていましたが、そうした方でも、次のような理由で、徐々に業務をこなせるようになっています。
業務はルーティン化している
介護事務の仕事は、毎月の流れがほぼ決まっています。
例えば、月末は請求業務、月初は国保連への伝送など、決まったサイクルで動きます。このルーティンがあることで、最初は戸惑っていた人も、自然と流れを覚え、どこでどのソフトを開いて何を入力するのかといった基本操作に少しずつ慣れていきます。
繰り返し作業が中心なので、難しい内容ではなく、流れを理解できれば安定して業務をこなせるようになります。特に、1か月・3か月と続けていく中で、「次はこうなるだろうな」と予測がつくようになり、気持ちにも余裕が出てきます。
職場でのサポート体制がある
最初は職場の先輩が横について教えてくれたり、マニュアルが用意されていたりします。わからないことをすぐに聞ける環境がある職場を選ぶことで、安心してスタートできます。
また、定期的に研修があったり、チェックリスト形式で進められる事業所もあるため、苦手なところが明確になりやすく、段階的にスキルアップしていくことができます。実際に周りのスタッフも、パソコンが得意というより「最初は不安だったけど慣れた」という方がほとんどです。
苦手意識は思い込みかもしれない
「パソコンが苦手」と思っていた私も、実際に業務を始めてみると、意外とスムーズにできる作業も多くあります。マウスでクリックする、数字を入力する、印刷をする、といった作業は一度覚えれば繰り返しですし、実際に触ってみると想像していたほど難しくないと気づく方が多いです。
苦手意識が先行しているだけで、実際はできることがたくさんあるんです。
「やってみたらできた」という成功体験が、少しずつ自信にもつながっていきます!

ちなみに、介護事業所では年配のスタッフさんでパソコンが苦手な方が多いので、私くらいのちょっとパソコンを知っているだけでもかなり重宝されていました!笑
パソコンスキルに自信がない方がやっておくと安心な準備
とはいえ、IT化の流れを考えると、基本操作に少しでも慣れておくことは大きな助けになります。
基本操作を練習しておく
以下のような内容をあらかじめ練習しておくと、スムーズに業務に入れます。慣れてしまえばどれも難しい操作ではなく、反復することで自然と身につきます。
- 文字入力(ひらがな、漢字、ローマ字):タイピングの基礎で、すべての操作の土台になります。Wordで日記を書くなどの練習もおすすめです。
- マウス操作やクリック、ドラッグ:ファイルやウィンドウの移動、選択操作がスムーズにできるようになります。
- ファイルの保存や印刷:介護記録や請求書の保存・出力に必須のスキルです。どこに保存したかを把握する練習も効果的です。
- 簡単なExcelの表作成:利用者情報や予定表を作る場面があるので、行と列の概念に慣れておくと安心です。足し算や並べ替えも少しずつ覚えられます。
- インターネットの基本操作:調べ物やメール確認のために、検索の仕方やタブの使い方も押さえておくと便利です。
無料の学習サイトやYouTubeの動画講座を活用すれば、自宅でも気軽に練習できます。市販のテキストを1冊買って少しずつ進める方法もあります。毎日少しずつ触れるという習慣をつけることが、苦手意識をなくす第一歩です。
タイピング練習をコツコツ積み重ねる
毎日10分程度でもタイピング練習を続ければ、驚くほどスムーズになります。
以下のような無料ツールがおすすめです。
- e-typing:日本語タイピングに特化した人気の練習サイト。レベルチェックもできます。
- 寿司打:スピード感のあるタイピングゲーム。スコアを競う楽しさでモチベーションが続きます。
- マイタイピング:アニメやJ-POPの歌詞など、さまざまなジャンルの文章で練習でき、飽きずに続けられます。
ゲーム感覚で取り組めるものも多く、楽しみながら習慣化しやすいのが特徴です。自分に合ったツールを見つけて、無理なく続けてみましょう。

私は「寿司打」で練習していました!
でも、未だタイプミスが多く自信はありません 汗
安価で学べるパソコン市民講座も活用しよう
「まったくの初心者だから、独学では不安…」という方には、地域の市民講座や公民館で開催されているパソコン講座もおすすめです。私自身も、市が主催する安価なパソコン講座に通っていたことがあります。
WordやExcelの基礎だけでなく、パソコンの仕組みや操作の流れも丁寧に教えてもらえるため、まったくの初心者でも安心して取り組めます。カリキュラムのに沿って段階的に学べるので、何から手をつけて良い分からない方にはピッタリかもしれません!
1回数千円〜という手頃な料金で学べる場合が多く、実際に質問もしやすい環境です。「教えてくれる人がそばにいる」安心感があるので、自信を持って一歩を踏み出せます。
パソコンに不安がある人に向いている介護事務の働き方
介護事務の働き方にはいくつかのパターンがあります。
自分に合ったスタイルを選べば、より安心して働くことができます。
最初は大規模な事業所の方が学びやすいことも
パソコンに不安がある方は、最初から小規模な職場よりも、比較的大規模な事業所に就職するほうが安心な場合もあります。大規模な法人では人員にゆとりがあり、先輩スタッフから丁寧に教えてもらえる機会が多いです。
また、法人全体での研修制度が整っているところも多く、介護ソフトの操作方法やパソコン基本操作を体系的に学ぶことができます。はじめは覚えることが多く感じるかもしれませんが、環境が整っている分、成長のスピードも早くなる可能性があります。

小規模な事業所だといきなり引き継ぎってこともあるので、サポート体制をしっかり確認しましょう!
アナログ作業が残る事業所もある
電子化が進んでいるとはいえ、すべてがデジタル化されているわけではありません。特に中小規模の事業所や、地域密着型で昔から運営されている施設では、紙ベースでの記録や手書きの伝票、ファックスでのやりとりが今も主流のところもあります。
そのような職場では、パソコン操作に自信がなくても取り組みやすく、徐々にパソコン作業に移行していける過渡期の環境が整っていることもあります。「まずは紙で全体の流れを理解してから、パソコンに移る」という流れも可能なので、初心者にとっては学びやすい環境かもしれません。
それでも不安な方へ…資格取得で自信をつける方法
どうしても不安がある場合は、資格取得を通じて知識と自信をつけるのもおすすめです。資格取得は、業務の流れを体系的に理解できるだけでなく、実務で必要なパソコン操作の基礎を自然と身につけるきっかけにもなります。
特に通信講座などでは、テキストや動画で順序立てて学べるため、「どこから手をつけていいかわからない」という方にも安心です。
以下のような通信講座やオンライン学習プログラムでは、基本的なパソコン操作と介護事務の実務に必要な知識を一緒に学ぶことができます。
- ユーキャン「介護事務講座」:初心者向けにわかりやすく構成されており、動画や実践テキストで学習を進められます。
- ニチイ「介護事務講座」:現場経験を活かした教材を使い、初心者でも取り組みやすい内容です。請求業務の基本も段階的に学べる構成となっています。
- たのまな(ヒューマンアカデミー)「介護事務講座」:DVD教材を使って自宅で学べる通信講座形式です。自分のペースで学習でき、繰り返し再生して復習できるのが特徴です。
- ハローワークの職業訓練校:地域によっては介護事務の基礎とパソコン操作を一緒に学べるコースもあり、無料または低価格で受講可能です。
これらの講座は、基礎から学べる講座が多く、初心者にもわかりやすい内容になっています。段階的にスキルアップできるよう配慮されたカリキュラムが組まれているため、初めての方でも安心して取り組むことができるでしょう。

修了証を取得することで、自分の成長を実感できるのも大きな励みになります。
パソコンが苦手でも介護事務は目指せる!
介護事務の仕事は、IT化の影響を受けており、最低限のパソコン操作は必要な時代になってきました。
ですが、基本的な操作を覚えていけば、誰でも少しずつ業務に慣れていける仕事です。「パソコンが苦手だから」とあきらめる前に、少しだけチャレンジしてみませんか?
自分に合った働き方や環境を選べば、きっと道は開けます!