介護事務の求人が少ないと感じている方は多いのではないでしょうか。私も介護職からケアマネジャーを経て介護事務に転職した経験があり、多くの方が求人探しで苦労されている現状をよく理解しています。
確かに介護事務の求人は介護職に比べて数が限られていますが、その理由を理解し、適切な対策を取ることで転職を成功させることは可能です。今回は、介護事務の求人が少ない理由と、効果的な求人の探し方についてお伝えします。
介護事務の求人はなぜ少ない?
介護事務の求人が少ない背景には、いくつかの明確な理由があります。ここでは、その要因を詳しく見ていきましょう。
求人件数の比較

介護事務の求人は、ヘルパーや介護士などの介護職と比べて圧倒的に少ないです…
例えば、東京エリアの大手求人サイトで比較すると、ヘルパー職が1万件以上あるのに対し、介護事務は数十件程度しかありません。
この数字を見ると、介護事務の求人がいかに限られているかがお分かりいただけると思います。私が転職活動をしていた時も、毎日求人サイトをチェックしていましたが、新しい介護事務の求人はなかなか見つからず、根気よく探し続ける必要がありました。
事務職は少人数体制が多い
介護施設の事務部門は、少人数で運営されていることが多く、1つの施設に1〜2名というケースも珍しくありません。そのため、欠員が出ない限り新たな募集がかからない傾向があります。
私が働いていた施設でも事務職は1名体制で、他の職員と連携しながら業務を行っていました。このような少人数体制では、よほどのことがない限り人員を増やすことはありません。
定着率が高い
介護事務は比較的働きやすい職種であり、一度就職すると長く勤める方が多いです。そのため、求人が出る頻度も低くなっています。
夜勤がなく、身体的な負担も少ないことから、介護職と比べて離職率が低いのが特徴です。私自身も介護職時代は体力的にきつく感じることがありましたが、介護事務に転職してからは働きやすさを実感し、長く続けたいと思える職場環境でした。
兼任募集が多い
小規模な施設では介護事務の配置がなく、介護士やケアマネジャーなどが請求業務を行うケースも多くあります。このような施設では、専任の介護事務職を募集することは少なく、求人数の少なさに拍車をかけています。
介護事務求人の現状と雇用形態の特徴
介護事務の求人状況をより詳しく理解するため、地域別の傾向や雇用形態の特徴について見ていきましょう。
都市部でも求人数は限定的
私が調べたところ、関東や関西など人口の多いエリアでも、介護事務の求人は多くて2桁程度、地方ではさらに少なくなります。都市部だから求人が豊富というわけではないのが、介護事務の特徴といえるでしょう。
大阪エリアでも介護事務の求人は想像以上に少なく、選択肢が限られていることがよくわかります。
正社員よりパート・契約社員が多い
正社員の求人はさらに少なく、パートや契約社員の募集がやや多めです。最初は正社員での就職を希望していても、まずはパートや契約社員から始めて、後に正社員になるというケースも多く見られます。
これには、施設側が人件費を抑えたいという事情や、業務量に応じて柔軟に人員調整を行いたいという理由があります。また、パートタイムの方が働き手にとっても家庭との両立がしやすく、応募者が集まりやすいという側面もあります。

私の経験でも、パートから始めて実力を認められ、正社員登用された同僚を何人も見てきました。
介護事務の今後の需要と展望
現在は求人が少ない介護事務ですが、将来的にはどのような変化が予想されるのでしょうか。長期的な視点で介護事務の需要と展望を考えてみましょう。
需要自体は今後も増加傾向
高齢化社会の進行により、介護施設やサービスの数は今後も増加します。それに伴い介護事務の必要性も高まっていくと考えられています。
新しい介護事業所が増えることで、介護事務の求人も徐々に増加していく可能性があります。長期的に見れば、将来性のある職種といえるでしょう。
AI化・自動化の影響は限定的
事務作業の一部はAIやシステムで効率化が進むものの、利用者や家族への対応など「人間ならでは」の業務も多く、完全に仕事がなくなることはないとされています。
介護事務の仕事には、システムでは対応できない人との関わりや判断が必要な業務が多く含まれているため、将来的にも安定した需要が見込まれます。
介護事務の求人を効率的に見つける方法

求人数が限られている介護事務だからこそ、効率的な探し方を知ることが重要です!
ここでは、実際に有効な求人探しの方法をご紹介します。
ハローワークを活用する
ハローワークは介護事務の求人情報が豊富に集まる場所の一つです。地域密着型の求人が多く、地元の介護事業所の情報も入手しやすいのが特徴です。
担当者に相談することで、希望条件に合った求人が出た際に連絡をもらえることもあります。また、求人票だけでは分からない職場の詳細な情報についても相談に乗ってもらえるのが特徴です。
介護専門の転職サイトを利用する
介護業界に特化した転職サイトを活用することも効果的です。これらのサイトでは、介護事務の求人を絞り込んで検索することができ、業界に詳しいキャリアアドバイザーからのサポートも受けられます。
複数のサイトに登録しておくことで、より多くの求人情報にアクセスできるようになります。
直接応募も視野に入れる
気になる介護事業所がある場合は、求人が出ていない時でも直接問い合わせをしてみることをおすすめします。急な欠員が出た際に声をかけてもらえるかもしれません。

私の以前の職場の方も、この方法で事業所に就職することができました。
積極的なアプローチが功を奏することもあります!
介護事務の求人を探す際のポイント
介護事務の求人に応募する際は、採用されやすくするためのポイントがあります。限られた求人だからこそ、しっかりと準備をして臨むことが大切です。
資格取得で有利に
介護事務に必須の資格はありませんが、関連資格を持っていると採用で有利になります。資格取得は仕事内容の理解にもつながり、未経験者にもおすすめです。
介護事務士やケアクラークなどの資格は、専門知識があることの証明になります。実際に、これらの資格を取得して転職に成功した方も多く、面接で好印象を持ってもらえたという声もよく聞きます。
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幅広い業務への柔軟な対応力が求められる
事務だけでなく、現場のサポートや他職種との連携も求められるため、幅広い業務に前向きに取り組む姿勢が評価されやすいです。
介護事務の仕事は単純な事務作業だけではなく、利用者さまやご家族との対応、介護職員との連携など、多岐にわたります。そのため、柔軟性と適応力が重要な要素となります。
柔軟な働き方を検討する
フルタイムの求人が少ない場合は、パートタイムや派遣での働き方も検討してみてください。まずは経験を積むことで、将来的に正社員として転職する道も開けてきます。
実際に、パートから始めて正社員になった方も多くいらっしゃいます。最初は希望と違っても、ステップアップの手段として考えることも大切です。
介護事務転職を成功させるために
介護事務の求人が少ないのは事実ですが、適切な方法で探すことで転職を成功させることは十分可能です。求人数の少なさには明確な理由があり、それを理解した上で戦略的に活動することが重要です。
複数の求人媒体を活用し、資格取得などのスキルアップにも取り組みながら、粘り強く活動を続けることが成功の鍵となります。

私自身の経験からも、介護事務は働きやすくやりがいのある仕事だと感じています!
求人探しは大変かもしれませんが、諦めずに取り組んでいただければと思います。皆さんの転職活動がうまくいくことを心から願っています。